東北工業大学の学生が当研究室で研究を行うには

どの研究室で卒業研究を行うかは,大学生活の最終的な満足度および卒業後の人生に大きく影響すると考えています.十分に時間をかけて研究室を選んでください. 

 

研究室を選ぶ上で,指導教員との相性は非常に重要です.研究室公開等の機会を活用して,確認されることをお勧めします.講義での教育のスタイルと研究指導における教育のスタイルには,異なる点が多くあります.可能であれば,研究室に既に所属している先輩に尋ねるなどして,研究室の様子を理解しておいてください.また,教員の担当科目と研究室での研究内容は異なっていることに注意してください.当研究室を検討される方で,研究内容等について個別に相談を希望される方は,いつでも受け付けていますので御連絡下さい.

 

研究室見学会では研究テーマ等に関する詳細な説明よりも,在籍する学生と交流して,雰囲気を知ってもらうことを重視しています.研究室の活動の特徴については,このページに加えて,学科の研究室配属ページの「卒業研修ガイド」もご確認ください.

 

所属する研究室を決定する方法には,成績優秀者を対象として3年前期から研究室に所属できる「先行配属」,成績によらず特定の研究室を強く希望する者を対象とした「特別枠配属」,もっとも一般的な,希望研究室を提出し成績順および抽選により配属が決まる「通常配属」,の三種類があります. 

研究室の特徴

当研究室では,知能情報処理あるいはマルチメディア情報処理を主たる領域としつつも,選択できるテーマの幅が広く,テーマ内での個人の裁量の範囲も広い傾向にあります.自分なりのアイデアや問題意識を取り込むことが楽しめる人には向いているのではないかと思います.

知能情報処理というのは,いわゆる「人工知能」と同じような意味合いです.井上も人工知能学会に所属し,応用分野での研究発表を行っております.ただし,研究テーマは社会的に話題になっている人工知能の応用とは異なっていて,人間を理解するための認知科学的な側面が強いものとなっています.人工知能に興味があり当研究室を希望される場合には,事前に研究室が得意とするテーマを確認することを勧めます.

マルチメディアには,テキスト,画像,音声,動画,センサー情報,位置情報などを含みます.最近は,テキストと動画を取り扱うことが多くなっていますが,その他のメディアにも継続的に取り組んでいます.

過去の卒論生が取り組んだテーマについては,メンバーページに簡単な説明があります.過去の取り組みの詳細および今後取り組みたいテーマについては,研究室紹介の機会を通じてお伝えする予定です.また研究室に来ていただければ,先輩の卒論をお見せすることもできます.

私の行っている研究については,研究テーマのページに簡単な説明があります.情報処理を通じた人間理解および,コンテンツを通じた新規コミュニケーションの実現を目指しています.詳細に興味があれば井上の個人ページ経由で論文等を参照してください. 

 

研究室の設備

人間行動を計測するための設備が充実しつつあります.360度ビデオカメラ,視線計測装置,モーションキャプチャーなどがあります.

結果を提示するためのVRヘッドセットや,ドローン,地上走行ロボットなどもあります.

計測や制御そのものを研究テーマとはしていませんが,研究を進める中で,計測機器やロボットプログラミングなどの知識を身につけることも可能です.

研修の進め方

研究室の方針の一つとして,シミュレーションだけではなく,実世界での人間行動により生成されたデータ(例えば言語データや映像データ,移動データなど)の利用の重視があります.可能な場合は独自にデータを収集し,大規模なデータが必要な場合には,他機関の提供するコーパス等も利用します.テーマによっては逆に,実世界を抽象化したモデルでの論議も行います.研究テーマが多様なので,研究室内のゼミを通じて,自身が手掛ける研究以外のさまざまな話題に触れることができます.

  

3年後期の研修では,卒業研修の準備をします.Pythonによる機械学習の演習や,学術情報の収集法の演習を行う予定です.4年前期では,学術論文を探し,読み,紹介するといった,情報のインプットを中心とした研修を実施します.

 

研究指導(詳細)

卒業研究(学士)

 

  • 研究室の良いところ
    自分たちで研究室の雰囲気やスタイルを作っていくことができます.研究室においてどのような活動を行うかは,毎年改めて検討しますので,研究室における「活動記録」はあくまでも過去の参考例としてご覧ください.
  • 求める人物像
    研究室メンバー(含むスタッフ)や学外の関係者と,きちんとコミュニケーションが取れる.
    与えられたテーマをこなすだけでなく,自ら深められる(卒論の場合).
    興味と熱意を持って研究に取り組める(修論の場合).
    大学院進学希望者を歓迎します(他大学進学希望も相談ください).
  • 英語について
    当研究室では,卒業研究の段階においても,多少の英語を含む文献調査や技術文書読解を行ってもらう必要があることがほとんどです.ただし,自動翻訳ツールなどが発達してきていますし,英語が苦手な方には配慮しますので,配属時に十分な英語力が無くてもかまいません.
  • 研究室で身に付く能力・知識
    本研究室では,卒業研究を行う目的を,研究を通じて知的作業を行うための基盤を身につけることとしています.問いを立てる力,情報を収集・整理する力,アイデアを生み出す力,アイデアを実装する力,成果を解り易くまとめる力,などを養います.それに伴って身に付くであろう以下のような技能は,卒業後も役立つと考えています.
    • プレゼンテーションや文書作成等のコミュニケーションスキル.
    • 専門的な情報を収集し整理するスキル.
    • 基礎的なプログラミングスキル(当研究室ではPythonを中心に,テーマに応じてC++,C#, R,Matlab,Ruby,PHP,JavaScriptなどが用いられています).
  • 卒論テーマの決め方
    3年次終了時に,研究室で扱うトピックの範囲内で,各自が興味を持っている独自のテーマまたはスタッフが提案したいくつかのテーマ例の中から,相談によって決定します.進学希望者と就職希望者で,目標とするところが異なりますので,事前に進路のイメージを持っているとテーマが選びやすくなりますが,進路については途中での変更も可能です.
    4年生進級後にも,進捗あるいは興味の変化に応じて,前期中のテーマ変更には柔軟に対応したいと思います.また,3年生のうちから卒論に向けた事前調査を行いたい場合は,相談に乗ります.

 

博士前期課程(修士)
博士前期課程入試については,大学院のページをご覧ください.
学内の成績優秀者については,推薦制度があります.大学院入試については募集概要をご覧ください.英語の試験にはTOEICを使用できます.当研究室では,電磁気学,電気回路,電子回路の知識はほとんど必要とされませんので,それらに興味がないあるいは苦手意識がある方でも,「数学(微分積分学、代数・幾何)」,「通信システム」,「論理回路」,「プログラミング」のうちから3つを選んで受験をすることが可能です.

 

 
博士後期課程(博士)
博士後期課程での指導は行っていません. 

 

 

履修推奨科目

 当研究室は,情報コースに所属していますが,通信コース・情報コースの区分にとらわれることなく,当研究室のテーマと関連の深い科目の履修をお勧めします.

 当研究室では「実験3」は必修ではありません.

 

各科目の詳細については,シラバスを確認してください.

 

  • 履修必須の選択科目(学部)
    当研究室に卒研配属された場合には,研究室共通の前提知識となるため,4年前期開講の「データ分析」は必ず履修していただきます.また,必要単位が不足している場合で以下の科目が未履修であれば,配属後に履修することをすすめます:
    「統計学」「情報理論」
  • 履修を推奨する選択科目(学部)
    以下の科目のうち,希望する卒論テーマに関連する科目を履修していると役に立つかもしれません:
    「プログラミング実践」「アプリケーション開発」「データベース」「ソフトウェア設計」「ディジタル信号処理」「コンピュータ数値解析」
    教養科目においても,心理・言語・メディア系科目を履修していると,事前知識となる可能性があります.情報処理技術者試験の対策科目もお勧めします.
  • 数学では確率統計が重要です.また,システム開発やプログラミングと英語のスキルがあると,研究を進めやすくなるでしょう.

 

  • 履修を推奨する専攻科目(大学院)
    配属時に個別にお伝えします.

 

 

他大学の学生あるいは社会人が当研究室で研究を行うには

現在は,大学正規課程以外の長期研究滞在のための特別な制度はありません.外部からの博士前期課程受験,短期の研究滞在や訪問を歓迎いたします.